いやーずいぶんとブログ書くのをさぼってしまいました。別に店での仕事をさぼってたわけでは
ありませんで、逆にシマノさんの新型 ULTEGRA の評判がいいので当店のようなちっちゃな
店でもご注文いただき、ここのところあんまり余裕がないんです。
それでも休眠ブログになってはいけないので、今回はタイヤ専門店っぽくタイヤ空気圧の
お話をします。
タイヤ交換にいらっしゃるお客様と接していますと、たまに体型に合わないほど空気圧を
高くしている方がいらっしゃいます。
スポーツサイクル乗り始めの方が多いとは思いますが、乗り心地は犠牲になるけれど
空気圧が高いほうが転がりが軽くてより早く走れるんじゃないかと誤解されています。
タイヤの空気圧ってのは適性な時に初めてそのタイヤの性能が一番出るように設計されてて
大事なのが乗る人の体重、あとは使用する路面状況で、同じメーカーでも銘柄とか太さが
違えば適正空気圧も変わるのが普通です。
自分は MICHELIN のタイヤが好きなので MICHELIN のグラフを参考にしますが
700 x 23c の場合、自分の適性空気圧は 6 BAR になります。ただこのグラフにも説明が
されていますが、この値はあくまでも自分にとっての最適空気圧を探すための初期値ですと
いうことです。あとはこの 6 BAR の前後 0.5 ~ 1.0 BAR ほどの範囲で変えてみて最も快適に
早く走れる空気圧を見つけていくことになります。
自分のように体重が軽い場合は最低空気圧を若干下まわることもありますが、これは自己責任で
試して見てください。
自分は最近は MICHELIN のチューブラーを使うことが多いですが、最適空気圧は
前 5.0 BAR、後 5.5 BAR です。
ずいぶんと低いなって思われるかもしれませんが、MICHELIN の場合ケーシングの
繊維密度がトップモデルでも 110TPI と小さく繊維が太いため硬めのケーシングで
その硬さを有効に使うために空気圧設定が低いんだと思います。
ちなみに Vittoria のトップモデルは コアスパンの 320TPI ですが、ホームページの
空気圧算出アプリで自分の適正空気圧を計算すると 前 7.9 BAR 、後 8.3 BAR と
なります。
このケーシングはしなやかなので空気圧が高くても跳ねにくい特性があるためです。
http://www.vittoria.com/tech/recom-tyre-pressure/
Vittoria のタイヤでは、細かくは調べていませんが自分の場合は前 7.0 BAR、後 7.5 BAR が
一番いいように感じます。
こんなようにメーカー、銘柄、太さが変わると自分にとっての最適な空気圧は変わりますので
ぜひ皆さんも細かく探って、そのタイヤの性能を使い切って見て下さい。
タイヤを製品として完成させられるのは、それを使う人だけですから。
そんな時に走りのお供として携帯していくのには、この Panaracer のこれがいいんじゃないでしょうか。
当たり前ですが、出かけるときは高い空気圧にしておいて 0.5 BAR づつ下げてってみるのがいいと
思います。
BTG-F フレンチバルブ用 当店販売価格 2841 円
補足) 何で空気圧が高すぎるといけないのかの説明が足りませんでした。
トラック路面のようなところを除いて、大体ロードバイクが走るところは細かな凹凸が
あります。スピードを出せば路面の小さなアンジュレーションも影響してくると思いますが
どんな状況でもタイヤのトラクションが最大になるようにするのが一番に効率よく
早く走ることになります。
それが空気圧が高すぎた場合、タイヤが路面からの細かな衝撃を吸収しきれずに
跳ねることになりますから、跳ねてる一瞬はトラクションが最悪ゼロになってるわけです。
これは、リジッドの MTB のタイヤの空気圧高くしてオフロードを走って激しく振動するのを
想像するとわかりやすいかと思います。 XC-MTB の場合は路面の凹凸が大きいので
タイヤだけでは吸収できないために、トラクション確保の目的でリアサスペンションが
必要になってるんですよね。
ロードバイクでは細かく跳ねてるのでわかりにくいですが、ピョンピョン跳ねてるときは
トラクション懸かってませんから。
石畳で体重の軽い人が重たい人に置いてかれちゃうのも跳ねちゃってる時間が
重たい人より多いからです。
細かなことでは、路面状況により最適空気圧は変わりますがまずは普段走っているとこで
常にトラクションが懸かるような空気圧にします。
逆に、低すぎる空気圧の場合はタイヤが潰れすぎてそのためのエネルギーを無駄に使うし
有効な反発力も減ってしまうために転がり抵抗が増えてしまいます。
ちなみに雨の日など路面が滑りやすいときには空気圧を下げますが、これは若干転がりを
犠牲にしても接地面積を増やしてグリップを上げるのを目的にしているので今回の話とは
ちょっと違います。