リアホイールは、多段ギアの場合スポークを取り付けるハブのフランジは
左右でセンター振り分けになっていません。
その結果、スポークは俗に言うオチョコ状態になってしまい右スポークの
テンションと左スポークのテンションに差異がでます。
シマノが11速化をしてスプロケット幅を増やしてから特にシマノ製の
リアハブではこの左右のスポークテンションの差異が顕著になったように
感じていたので、はたして10速までのハブと11速対応ハブではどのくらい
違ってしまったのか簡易的に計算してみました。
条件としては、より影響の出やすいロープロファイルのチューブラーリムを
想定してとりあえず ERD 602 mm で比べてみます。
考え方としては、右スポークテンションを 1000N で張った場合の
右方向成分の力 RL と左方向成分の力 LL が釣り合うためにイコールとなる
左スポークテンションを求めるとしました。
本来は回転方向の角度成分も入ってくるしもっと複雑な計算になるんですが
だいたいどのくらい違うのか知りたいだけで簡易的な計算なんで実際の
数値としては参考程度に見てください。
まずは、
シマノ FH-9000 の場合
R.TENSION:1000N RL,LL:67N L.TENSION:494N
シマノ FH-7900 の場合
R.TENSION:1000N RL,LL:74N L.TENSION:570N
ついでに
シマノ FH-RS770 (E-THRU O.L.D. 142mm) の場合
R.TENSION:1000N RL,LL:73N L.TENSION:580N
参考としてロードディスクで BOOST規格 の O.L.D. 148 mm 仕様の場合
R.TENSION:1000N RL,LL:91N L.TENSION:669N
大雑把に結論すると、10速までのシマノハブでは左右の差異は
6 : 10 だったのが11速のシマノハブは 5 : 10 ほどに
悪化したということですね。
それと気になるのは、左右方向成分の力が 10% ほど少なくなってることで
これはホイールの横剛性感に影響するんじゃないかな。
まだまだこれからでしょうけど、BOOST規格のエンド幅 148mm は
この問題を解決してくれそうです。
あとはリア専用の断面を非対称にしたオフセットリムもこの問題を
改善するのにはいいと思います。
ほんとちょっとの数ミリの違いでこんなにも違いが出るんだなーというのが
今回の感想でした。
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