先日、古い RALEIGH の普通自転車を入手しました。
イギリスの普通自転車といえば、今日本中で走ってるママチャリの原型だと
思うわれるし、現在はわかりませんがイギリスの最大規模の自転車メーカーと
いえば間違えなく RALEIGH だったと思います。
そんな今の普通自転車の原点のような自転車を足として使ってみたいと
思ったのです。
1974 年モデルって原型にしてはそんな古くないじゃないかと言われそうですが
このモデルは、ほとんど同じ仕様で 1930 年代から作られているんです。
実際、この自転車を写真で見て購入を決めたときは 1950 年後半のモデル
だろうと勘違いしてましたから。
この Superbe というのは最上位モデルで Sturmey-Archer 製の Dyno-hub という
内装ギアのダイナモハブを備えています。
この Dyno-hub システムは停止中や低速時でもライトが点灯するように
シートチューブ上のバッテリーに一旦充電してからのシステムになってます。
もちろん乾電池は入ってませんでしたから、ライトは点きません。
また Superbe にはオートバイのハンドルロックと同じようなカギが付いてます。
このカギのメーカーが WILMOT BREEDEN というのはイギリスの自動車好きには
たまりませんね。
この自転車の引き取りは世田谷から自走で 22 km ほど走って帰ってきました。
たぶん最初から付いていた 44 年ほど前のタイヤはかなりボロボロでしたけど
パンクしてなくてそのまま無事に走れたことにちょっと驚きました。
サドルは Superbe は BROOKS の B66 が付いてるんですが
こんな状態だったので手持ちの B17 を付けました。
引き取り時の思わぬアクシデントはギアチェンジ用にハブから出ている
インジケータロッドのチェーンが切れていてギアがトップに入ったまま
変速できなかったこと。
イギリスの普通自転車をなめてはいけません、一見ママチャリのような外観でも
ギア比が普通じゃないくらい高速仕様に作られてます。
調べてないのでギア比はわかりませんが、トップだとケイデンス 80 くらいで
35 km/h で巡航できますから。
タイヤはいつバーストするかわからないし、こんなギア比で環七走るのは
かなり疲れました。
この自転車は、現在の自転車メーカーと違ってほとんどの部品を RALEIGH の
ノッティンガムにある自社工場で作ってるんです。
多く使われてる Sturmey-Archer も RALEIGH の子会社だったしね。
このモデルを作った目的は、普通の人が自転車を交通手段に使えるような価格で
作ることだったので当時コストダウンするためには一番いい方法だったんでしょうね。
実際、ノッティンガムで働く多くの従業員が通勤で使ってたようです。
フォードが T 型作ったときと同じような発想ですかね。
当時のカタロクに出ている販売価格から当時の日本で買う場合の感覚は
12万円くらいはしたんじゃないかと思いますけど。
今、日本でママチャリ乗ってる人だと自転車に対する価値観がずいぶんと
違うから理解できないと思いますけどね。
この自転車、ここまでオリジナルのまま生き延びてきたんで、できるだけ
オリジナルのままでメンテナンスして普段使いできるようにします。
実はすでにメンテナンスは終わって使い始めているんで次のブログで
お披露目します。
スポーツ車オンリーな方にはあまり興味がない記事だとは思いますが。
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