先日、シマノテクニカルセミナーで面白い話がありましたんで紹介します。
ここ2から3年のレース界ではタイヤ幅の太い物が好まれているという話から、シマノの完組ホイールの
対応タイヤ幅がクリンチャーで 25c まで、チューブラーで 28 まで対応するようになったという話の展開
で、、、、
これまで選手のフィーリングから太いほうがパフォーマンスが出るということで太めタイヤが選ばれて
きたようなんですが、最近イギリスのある機関が科学的根拠を証明してきたそうで
ずいぶんと複雑な計算をして証明したそうなんですが、それをかなりはしょった説明で聞いてきたものを
ここではわかりやすいようにさらにはしょってお話します。
話を簡単にするためにあくまでも 700c で同じ体重、同じ空気圧での比較を前提にします。
タイヤは回転することでホイールの前後で圧縮と反発が連続的に起きています。
自然の摂理で圧縮したときに使うエネルギーより反発のエネルギーのほうが小さくなる
エネルギーの弾性損失が起きて、これが転がり抵抗として現れます。
はしょって言えば、エネルギーロスを減らすために、圧縮と反発の差を減らしてあげればいいんですが
そのためには接地部の L を小さくする必要があります。
方法としては、トラック競技でよくやる空気圧を高くするというのが一番の早道ですが
ロードの場合、これをやると転がり抵抗以外のタイヤ性能をかなり犠牲にしてしまいますから
やたらに高圧にするわけにもいきません。
L25 < L23 W25 > W23
そこで、同じ体重、同じ空気圧で同じ接地面積なら 23c を 25c にして幅方向 W の寸法を増やせば
L は減るわけで、転がり抵抗が減ることになります。
かなりはしょりましたが、概ねこんな根拠があるようです。
よく聞くことがあるかと思いますが、タイヤ幅が狭いと接地面が小さいから転がり軽いんだよっていう
間違えた説明、正しくは同じ空気圧、同じ体重なら接地面の形が違うだけで接地面積は変わらなくて
さらに 23c より 25c の接地面形状のほうが転がりが軽くなるということです。
SCHWALBE ホームページのテクニカルドキュメントにも同じようなことが書かれていましたので
見てみてください。
http://www.schwalbe.com/en/rollwiderstand.html最近、チューブラーもクリンチャーもちっと太めなタイヤがいろいろ出てきて選択肢がありますから
ぜひこの理論を体感してみてください。
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